その子がキズついたって。」

すごく辛そうに話す小城くん。でも、もし私が小城くんの立場
だったら自分のせいで誰か他の人が傷つくなんて絶対に嫌だ。

「小城くんは強いね。偉いよ、私だったら学校、行けなく
なっちゃう。」

「前から思ってたんだけどさ、もしかして、小暮ってさ、なんか
あったの?」

「え?」
「小暮って時々すごく辛そうな顔すんだよ。入学式の日だって
そうだった。悲しげな瞳で桜見てただろ?」

あ、きっとみっくんのこと考えながら桜見てた時だ。
前にそらくんに言われたことがある。みっくんのこと考えてる
時の私はすごく辛そうだって。

「う、うん。いろいろあって……。」
「そっか。なんかあったら言えよ。なんかできることあったら
手伝うから。そろそろ戻るか。」
「うん。そうだね。」

小城くんって本当に優しいな。みっくんに似てる。