「さっきから忘れてるかもだけど俺もいるんだけど……」
そう言って半分呆れた顔をしたのはさっちゃんと瓜二つの双子の弟くんで
榛名蒼空(はるなそら)くん。すごく整った顔立ちで女の子にもすごい
人気のあるそらくんは私が話すことのできる数少ない男の子だったりする。
「そらくんも、同じクラスだといいね」と笑いかけて言うと彼は
「そうだな」って優しく返してくれる。
男の子がみんな、そらくんみたいに優しかったらなんて何回思ったか、
「ここに海月がいないのが本当に悲しいね。」
ふと、さっちゃんが呟く。
「ホントにな。」