思わず俺は声をかけていた。

「ねぇねぇ。君、どこ中出身?」

って、これじゃナンパみたいだな。
目の前の子は少しビクビクしながらも答えてくれた。

「え、えっと、葉月中です。」

自分から女子に話しかけるのは多分この子が初めて。
なんか、不思議な魅力持ってんだよな。儚くて、守ってやりたく
なるような子。

「へー、そーなんだ。オレ、南原中出身の小城尚緒。よろしくね!」

そう自己紹介すると、彼女はふわりとした可愛らしい笑みで

「あ、えっと私は小暮海波……です。」
「ふーん。小暮ね、同じクラスだし、1年よろしくね?」
「う、うん!こちらこそ!」