いつもの日常に戻ってから、数日がたった。


相変わらず喧嘩や罵倒が絶えないクラスが、担任のある一言で静まりかえった。


「今月末から期末試験が始まるからな。がんばれよ」


いつもギャーギャー暴れ回ってる生徒達も、こればかりは避けられない。


というのも、この学校は普段の授業がほぼ自由参加みたいになっている代わりに、試験の結果が悪いと即留年となる仕組みになっている。


しかも試験の難易度はめちゃくちゃに高い。


まあ、結果がよければ何も言わないって感じだからなあ。


さすがのヤンキーくん達も留年は嫌らしい。


教室の空気がどんどんと冷めていくのが分かった。


「うわあああん、雫ううう~!助けて~!」


まあ、私の周りも例外じゃない人もいるわけで。


放課後になるやいなや、翼が泣きついてきた。


「もう、普段から勉強しないからでしょう?」


「だって!勉強嫌いなんだもん!」


言い訳になってないよ・・・・・・。


「お願い、勉強教えて!テスト前は部活ないし!」


「はいはい・・・・・・」








「・・・・・・っていうわけだから、今日は暁に行かないから」


「そっか。雫ちゃんも大変だね」


昼休みに楓のところに行って事情を説明すると、楓は快く承諾してくれた。


さすが、楓は話が分かる。


どっかのお二人さんとは話の通じやすさが段違いだ。