女の子の背中が、後ろの棚にぶつかる。


ぐらりと棚が揺れて、倒れてきた。


「きゃあっ・・・・・・」


悲鳴を上げてうずくまる女の子の腕を思いっきり引っ張って、上に覆い被さる。


背中に強い衝撃が走った。


・・・・・・痛い。


背中がじんじんする。


自分の上に乗っかった棚を、よいしょ、と横にどけた。


「っ、あっ・・・・・・」


震える女の子の前にしゃがんで、にっこり笑ってみせる。


「私にふさわしいとか、そういうのはよく分かんないけどさ。私が隣にいてほしい人は、私が決めるから。あなたには関係ない」


最後の方は、あまり笑えていなかったかもしれない。


あー・・・・・・、女の子泣かせちゃった。


こんなつもりじゃなかったんだけどな。


とりあえず女の子を立たせて、倉庫を出る。


小さな声で、ごめんなさい、という女の子の頭をなでる。


私もごめんね、と言い残して、その女の子と別れた。


さっき棚が当たった背中がズキズキする。


でも、それよりも。


こんなにも、胸が痛いのは、なんでだろう。


・・・・・・苦しいなあ。


なんとなくその場にうづくまる。


別に体調が悪いわけでもないのに。


なんとなく、息苦しい。