「ごめんね、怖いだろうけど、もうちょっとだけ我慢してて」


「っ、はい、」


さて、と。


「来いよ。全員まとめて相手してやる」








・・・・・・もう、何人倒しただろうか。


頭から垂れてくる血を乱暴に拭う。


頭を何発かパイプやバッドで殴られたせいか、少しクラクラする。


それでもだいぶ相手の数は減っていて、残り数人だった。


「ば、化けもんかよ、この女」


「ひ、怯んでんじゃねえよ、相手は女だぞ」


「女っつってもよお、こいつ、もしかしてあのヨルなんじゃねえか・・・・・・?」


喧嘩中にとれてしまったフードのせいで丸見えの銀髪を見て、男達は今更たじろいでいる。


「でも、もしそうなら、今なら俺らで、ヨルのこと倒せるんじゃねえか・・・・・・?」


誰かが言った、その一言で、また男達の目は鈍く光った。


・・・・・・めんどくせえなあ。


向かってくる男達を、必死にいなして倒していく。


でも、結構限界は近かったみたいで。


「おらあ!」


男の攻撃をよけたときに足下がぐらついた。


あ、やべえ。


その隙を男達が見逃すはずもなく。


無情にも、鉄パイプが振り下ろされた。