「・・・・・・これが、俺がヨルを探していた理由だ」



あまりの話に、私は相づちすら打つことも忘れて呆然としていた。



ヒロ兄が、暁の総長だったなんて、知らなかった。



でも、それなら夜によく街に出ていたことも、遊びに来るときたまに怪我していたことも、納得がいく。



でも、今紅雅が話したことが本当なら・・・・・・。



「じゃあ、今、ヒロ兄は・・・・・・」



「・・・・・・今も、病院で眠ってる」



紅雅の言葉に、頭がガツン、と殴られたみたいに意識が遠くなった。



頭はうまく回らないし、呼吸も苦しい。



・・・・・・会いたい。



ヒロ兄に、会いたい。



「紅雅・・・・・・。ヒロ兄に、会わせて」



震える手を握りしめて、紅雅を見つめる。



「・・・・・・ああ」



ずっと探してた。



ヒロ兄に、ようやく会える。



なのに、今は会うのが怖い。



矛盾した感情がドロドロに渦巻くまま、私は紅雅とヒロ兄の元へ向かった。