白い砂浜を、押し寄せてくる波が濡らしてまた去っていく。


潮の香りが鼻を掠めて、私は大きく息を吸う。


隣にいる翼は、目の前に広がる海をキラキラした目で見つめて、叫んだ。


「海だあああー!!!」


そう、私と翼は海に来ている。


と言っても、二人きり、というわけではなく・・・・・・。


「おー、やっぱ人が多いなー。いやー夏といえば海だよな!」


「ガク、運転ありがとね」


「いえいえ、お安いご用ですよ」


「・・・・・・あちい」


お察しの通り、暁の三人組も一緒です。


もちろん最初は翼が断固拒否してたんだけど、光が海まで車で送り迎え、という条件を出したら渋々OKが出たのだ。


ガクはいつもの通り快く運転してくれたのだが、なんだか申し訳ないな。


ガクは車にあった荷物を一通り降ろしてから、私たちに向かって一礼した。


「じゃあ、明日の夕方に迎えに来ますね」


「おう、ありがとな!」


ん?


「ちょっと待って、明日ってどういうこと」


ガクの言葉に引っかかり、光に聞くと、光はきょとん、として私の顔を見る。


「どういうことって、一泊するって言ってなかったっけ」


・・・・・・聞いてないんですけど。


日帰りだとばかり思っていた私は、翼と顔を見合わせる。


翼も日帰りだと思っていたらしく、あんぐりと口を開けていたが、その顔はすぐに笑顔になった。


「まあいいじゃん!楽しそうだし!男達のことは放っておいて、遊び尽くそう!」