翌日、紅雅と楓と一緒に病院へ向かう。


光の病室へ向かうと、光はベッドから起き上がってなぜか筋トレしていた。


「光、何やってるの・・・・・・」


病室の前で絶句する私に、光が気付く。


私を見るやいなや、こっちに駆け寄ってきた。


「雫!無事だったんだな、よかった・・・・・・」


怪我人とは思えない力でぎゅう、と抱きしめられる。


「光こそ、怪我は大丈夫なの?」


「ああ、なんてことねえよ」


ちょっと刺されただけだ、と光は包帯が巻かれた腹を私に見せて笑った。


刺されただけって、刺されてんじゃん。


光の腹を見て眉をひそめていると、光が私の頭を乱暴になでた。


「もう全然動けるし、大丈夫だって!他の奴らも、明日には退院できるからさ。だからそんな顔すんな」


そう言って笑う光に、申し訳なさはまだ残るけど、ほっと胸をなで下ろす。


いい加減離れろ、と紅雅がご立腹だったので、とりあえず光をベッドに戻して横にあった椅子に座った。


「それで、昨日のことは楓から大体聞いたけど、結局紫樂と鬼灯はどうなったんだ?」


「紫樂にはヤキ入れておいたけど、解散するかどうかは小田巻に託したよ。あの様子ならもう問題ないだろうしね」


「は?そんなんで大丈夫なのかよ。また鬼灯と結託して攻めてきたりなんかしたら・・・・・・」