近い。どうしよう……。 酸素が、頭に回ってこない。 ぐるぐる。心臓、落ち着いて。 あたしの緊張が限界に達したのは、たった一言。 「藍田さん、好きだよ」 灰野くんの声が余計に心臓に負担をかける。 ―――あたしも灰野くんが好きです。 そう言いたいのに、もう唇、閉じなきゃ……。 だってもう、灰野くんの唇が近づいている。 薄ピンクの唇が…… もうすぐ……っ!