「ご……」


ごめんなさい

そんな声ももう出ない。

どうしよう息まで苦しい。


「藍田さ……」


灰野くんがこっちに一歩進んだとき、胃がキリキリし始めた。


「……保健室いくね」


「なら送る」


ギスギスした空気をこれ以上灰野くんに体感されたくない。

もうやだ。

あたしのダメなところ、もうこれ以上見せたくないよ。

一緒にいたら、嫌われることばっかりしちゃう。

背伸びして頑張っても、全部裏目。

灰野くんにこれ以上、幻滅も軽蔑もされたくない……。


「一人で大丈夫……」