「ナギさぁ……藍田さんのこと大事だから告白しない、関係壊さないとか言ってなかった?」


「言ったねぇ」


「何してんの。全然言ったこと守ってねーじゃん。意味がわかんない」


「そうだねぇー」


そうだねぇじゃねぇよ。ふざけんな。


ナギは机に両肘を置いて、頬杖をついたぼけーっとした顔で続けた。


「俺って多分さ。胡桃とサッカーしか頭になかったんだろうな」

「へ?」

「両方失ったらもう、立てないって言うか。まぁ実際立てないけど今。はは」


「いやおもしろくねーし」


「もういいじゃん俺のことは。このチャンスに胡桃のハートがっちりつかんどけ。このヘタレ―」


「……」


なんなの、こいつ。

もういいや、とにかく心までポキっといったってことね。