「……藍田さん」


あたしの肩から頭を持ち上げた灰野くんは頬を赤くほてらせていて。

酔いが回ったみたいなぼうっとした目が、今まで見たことないくらい色っぽくて……。



「……全然足んない」


灰野くんはそう言って、
あたしを壁に押し付け、優しく何度も唇を重ねた。


「ん……っ」


や、やば……い。

気持ちいい……。

心臓もたない。


「……っ」


息つく間もなく、灰野くんはあたしの唇を奪う。


身をよじろうとしても、灰野くんの手も、両足の間に割り込んだ片脚も、唇も、あたしを絶対に離そうとしない。


「……っぁ、……んっ」


灰野くんって言おうとしただけなのに。

変な声になって恥ずかしい。