「灰野くんって……」 リホちゃんが肩を震わせて笑っている。 「なんか応援したくなるよね、彼」 彗も暖かいまなざしで、教室のドアの向こうに視線を送る。 「あっ、そろそろあたし、行くね!二人は行かないんだよね?」 「空気読んどこうかなって。ナギは多分胡桃と喋りたいと思うし、ねぇリホ?」 こくこくと頷くリホちゃんに首を傾げてから、あたしは二人に手を振って別れた。