翌日の放課後、あたしはひとりお見舞いに急いだ。


彗とリホちゃんは用事で来られないから明日行くらしい。


スマホを片手に頑張って電車とバスを乗り継ぐ。


到着した病院のすぐ傍のコンビニで、ナギちゃんの好きなお菓子や読みそうな雑誌をいくつか買ったあたしは、


大部屋のドアの横に貼られたネームプレートに藤原凪砂と書いてあることを確認して、ドアを叩いた。


コンコン……。


待っても、返事は来ない。


「あのぉー、」と言いながらおそるおそる引き戸を横に滑らすと、

ドアの一番近くのベッドに横たわっているナギちゃんが「胡桃?」と読んでいた漫画を放り投げて首をもたげた。