灰野くんのほうをちらっと見ると……あくびしてない?
度胸据わってるなぁ……。
「水泳部が廃部になったのは知ってるか?灰野」
「え、俺?あーそうなんですか」
「ということは、夏に使うプールは誰が掃除すると思う?」
「ん?」
「罰として6人でプール掃除。六月になったら呼び出すから全員そのつもりでいるように」
「ええー!?」
あたしたちの悲鳴は廊下を通り抜ける。
「……あのプール掃除するの?」
「緑だよね。藻が生えて」
「水泳部のやつがいうには蛙とオタマジャクシがいるらしい」
えぇ……
「むり……オタマジャクシはいいとして蛙は……」
力が抜けていく。
「今は考えないにしようぜー」
ナギちゃんは、ぐーっと伸びをして歩き始めた。
「楽観的」
「真似していいよ胡桃ちゃん」
できません。