嫌なわけない。むしろ、高遠くんと帰れるなんて、夢みたいだ。
「そんなわけ……ないです」
「うん。だから帰る準備してて。寝てもいいけど置いてくからね」
「ね、寝ません……!」
高遠くんに会ったら、目なんて簡単に覚める。
それに、あんなこと言われたら、楽しみすぎて寝てなんかいられないよ。
「寝てても起こすでしょ、さすがに。こんな暗いんだし」
「だから、寝ないもん」
「ははっ、どーだか」
「もー!」
高遠くんって、やっぱりイジワル。
だけど、さっきの笑顔は貴重だった。……かっこよかったなあ。
「じゃ、そーゆーわけだから。準備、ちゃんとしてなよ」
「……はい」
……高遠くん、まさか私がこうなるのわかってて戻ってきてくれたとか?
さすがに……それはないよね。
だって高遠くんだもん。
めんどくさがりでマイペースな高遠くんだもん。
そんな夢みたいなこと……あるわけないよね?



