「こちらこそ。…すごくありがとう、だよ」
お礼を言うのは、韮崎くんじゃなくてわたしのほう。今日は楽しかったし嬉しかった。
その気持ちをそのまま伝えると、韮崎くんは目を瞬かせる。
「あはは、なにそれ」
「えっ!?変なこと言った…!?」
「んーん?なんでもない」
口ではそう言ってるけど、全然なんでもなくないよね…!?楽しそうに笑ってるし…。
ちょっと恨めしい気持ちを込めて韮崎くんを見ると、それに気づいた韮崎くんはさらに笑って。
……それから、なにかに気がついたような表情をした。
「ねえ久住さん」
「ん?」
「俺に触れられるの、抵抗ある?」
「え?」
ちょっと話の展開のしかたがわからない。韮崎くん、急にどうしたの。
────なんて、思考が追いつかないうちに、韮崎くんは顔を近づけてきて。
「はい。睫毛ついてたよ」
「え、気づかなかった…。ありがとう!」
「んーん、大丈夫。じゃあまた明日。……頑張ってね」



