そう言ってなんでもなさそうに笑うから、なんだか逆に、わたしが泣いてしまいそうだった。
「韮崎くん、は……つらい?」
「…もう慣れちゃった」
それは、いつの日かわたしが彼に向けた言葉で。
「…つらかったら、いつでも言ってね」
わたしも、いつの日かの彼の言葉を返した。
*
それから暫くの沈黙の後、ぽつりぽつりと他愛のない話をしながら、最寄り駅まで着いた。
韮崎くんはバス通学らしい。
バスターミナルの前で別れるつもりだったけど、改札まで送ってくれるみたい。
…優しい。
「ごめんね、わざわざ」
「気にしないで。バスまだだし。もし乗り逃しても、またすぐ来るし。今日はありがとう」



