高遠くんの熱にうなされて






*




「今日はありがとう、韮崎くん」


「こちらこそ。久住さんと来られてよかった」


「えへへ……。ありがとう……」


お世辞だとわかっていてもやっぱり嬉しくなる。


わたしが単純人間なのもあるんだろうけど、韮崎くんみたいな人に言ってもらえるなんて、余計に。


こういうところも人気者な理由なんだろうなあ……。


「少しは気が紛れたならいいんだけど」


「あ……」


そうだ。


元はと言えば、わたしがウジウジしてたから。


だからこうやって、わざわざ気を遣ってくれて……


「ありがとう……。こんなこと言ったら失礼かもしれないけど、楽しくて忘れちゃってた……」


「ほんと?むしろそれなら何よりなんだけど。俺もそんなに楽しんでもらえるなんて思わなかったから、よかった」


いい人、なんだな……。


しみじみとそんなことを思いながらも、なんだか恥ずかしくなって視線をうろうろさせていると。


「あれ、陽都(はると)くん!?」