「できるんでしょ?」
そう言って微笑んでいる高遠くんは確信犯。ここで私が折れると思ってるんだ、きっと。
「できるよ……!」
嘘です。一ミリも自信ないです。謝るのが悔しかっただけです。
「へー。せっかく僕が逃げ道用意してあげたのに。ま、やれるもんならやってごらん?」
あれは逃げ道とは言わないよ、高遠くん。
心の中で少し恨めしく思っていたら、高遠くんがおもむろに立ち上がって。
“ま、できるとは思ってないけど”
そんな言葉を残して、高遠くんはジュースを買いに行ってしまった。
「……久住さん、大丈夫?」
「え、あ、韮崎くん……」
韮崎くんに声をかけられ反応すると、なんだか周りから視線を感じた。
み、見られてる……よね?
韮崎くんが人気者だから?
そんなことを思っても、聞くに聞けず。その間に、韮崎くんが口を開く。
「なんか今日の高遠、機嫌悪そうだったし。久住さんなにかされてないかなって思って」



