よかった……。
さすがに彼女さんがいたら、私だって申し訳なくて、さっき言ったことを撤回する。
だけど、いないなら───彼に彼女さんができるまで、少し甘えさせてもらいたい。
「……なんか、嬉しい、こういうの。ありがとう、韮崎くん」
「いーえ。どーいたしまして」
さ、爽やかオブ爽やか。
……高遠くんとは真逆。
高遠くんはいつも眠そうで、ときどき不機嫌そうな顔をして、ニコニコしてるのなんて見たことない。
だから、きのう一瞬でも笑ってくれたのは、それはもう本当に貴重だった。
思い出してまた、顔が火照る。
あの笑顔を見せてくれるのは、私だけだったらいいのに。
でも知ってる。
高遠くんにはきっと、本命の女の子がいるってこと───。



