高遠くんの熱にうなされて




まさか私が反論してくるとは思わなかったのか、目を見開く柚姉。


「数分しか話してない高遠くんのこと、悪く言うだけの柚姉は嫌い」


「鈴……ご、ごめんね?」


「やだ」


私がそう言うと、顔を青くする柚姉。


高遠くんは無表情でその様子を見ていたけど、やがて口を開いた。


「………高遠涼です。はじめまして。……おねーさんから鈴取っちゃって、なんかすみません」


……え。高遠くんが“すみません”って言った……。それに、まさか柚姉になにか言ってくれるとは思わなかった。


申し訳なさそうにしてるわけじゃないけど、バカにしてるような顔でもない。相変わらずの無表情。


「~~っ、そうだよ!テキトー男め。社畜を癒せるのは妹しかいないの!私がいるのに鈴を取るな!」