高遠くんの熱にうなされて




「……そーだ、鈴」


「うん……?」


「さっきから誰かに見張られてるみたいなんだけど、気付いてる?」


「え?」


見張られてる……?


高遠くんのタチの悪い冗談かと思ったけど、高遠くんが嘘を言っているようには見えない。


「ん」


おまけに、私たちが来た方を指差して、なにかをジーッと見ているような素振り。


釣られて私も振り向く。


視界の奥に、誰かの逃げるような後ろ姿を見つけた。


「……って、(ゆず)姉じゃん……!?」


私が思わず言うと、逃げ出そうとしていたその人は、諦めたように振り向いた。


「ゆずねえ……?誰」


一方で、隣の高遠くんは少し眉間に皺を寄せて、呟くように聞いてきた。