高遠くんの熱にうなされて




*



「うっわ、ホントに遠……」


「あっ、ごめんね高遠くん、そこまで気が回らなくて…」


「別にいーよ。鈴だし。そこまで気を回されても困る」


電車を何本か乗り継いで、さらにはバスにまで乗って。


何度も「ここまででいいよ」とは言ったけれど、高遠くんは聞いてくれず。


現在、住宅街のど真ん中。高遠くんとふたりきり、わたしの家の前。


すっごい今さらだけど、誰かに見られたらどうしよう……!?


「あの、じゃあ、また明日……?」


「なんで疑問形なの」


「な、なんとなく」


“また明日”なんて本気で言って、嫌そうな顔されちゃったら、立ち直れないと思ったから。……なんて、高遠くんには言わないし、言えない。