「シュクラン(ありがとう)」

せとかはせっかくなので、香水瓶を買っていこうと思い軒先に並んだ商品を見つめる。小さいサイズで一つ一つ色も形も違う。どれもかわいく魔法の世界にある道具のようだ。

「きれい……」

どれにしようか悩むせとかに、オメルが「これとかどうかな?せとかが好きそうだけど……」といくつか香水瓶を指差す。

拭きガラスの美しい丸みがあるものや、明るい色が彩色がデザインのもの、細長いデザインのものなど、せとかはますます迷ってしまう。

「エジプトでは、香りを楽しむだけでなく照りつける太陽から皮膚を守るためにも、香油を大量に使っていたんだ」

せとかにオメルが教えてくれた。

「昔から香りは、様々な儀式や薬にも使われていたんだよ」

「そうなんだ!素敵だね」

せとかはオメルと相談し、光にかざすと美しい金色の香水瓶を買うことにした。

「オメル、本当にいいの?」

「もちろんだよ!」