邑生side


まさか会えるとは思わず
ただひたすらびっくりしていた。
息が止まるかと思った。


なんなんだ?
あの可愛い、生き物。
ちっちゃくて
色も白くて、肩幅も狭くて
アーモンドみたいなクリクリとした、瞳。
ゆるくふわふわになっているロングヘア。

まるで
人形みたいだった。

いくら毎日、目の前で、見ていても、こんな至近距離ではないし
ましてや、本を見るふりして盗み見しているだけで、
彼女の顔を真正面から見たことはなかった。

「どしたの?
顔赤くなって口抑えて。具合悪いの?」

事情をしらない恒星が声をかけてきたけど
スルーしてしまった。


あぁ、困った。

もう一度、会いたい。

・・・・話ししたい。

「おい!邑生!どこいくんだよ!
まだ交代時間じゃねーぞ!おい!」

気持ちより先に、カフェを出た彼女を追いかけていた。