そう言うと、花霞を抱きしめて、ゆっくりと抱き上げた。花霞は驚き、彼に抱きついてしまう。すると、彼は笑って「大丈夫。落とさないよ。」と言って、ゆっくり歩き始める。
 彼が連れていく場所など1つしかない。
 いつも2人で寝ているベットがある寝室だ。


 椋は、ゆっくりと花霞をベットに下ろすと、そのままベットに手をついて、花霞に頬や額、首筋などに小さくキスを落とす。
 その度に、くすぐったい気持ちになり、花霞はクスクスと笑ってしまう。


 「何だか、余裕だね………花霞ちゃん。」
 「そ、そんな事ないよ。緊張して、椋さんの事見れないよ。」
 「だめ。ちゃんと見て。」
 「でも………。」
 「誰にキスされて、気持ちよくされて、抱かれているのか………ちゃんと見て。俺も、花霞ちゃんを見てるから。」
 「………うん。」
 

 花霞は自分から体を浮かせて、椋にキスをした。椋はその同意の言葉と、キスで嬉しそうに微笑んだ後、花霞の頬に触れながらベットに沈むようなキスを繰り返した。


 その後の事は、花霞は朦朧としながらも彼を見つめていた。彼の指が体に触れると、熱を感じそこからどんどん温かさが広がっていった。
 キスをされれば、もっとして欲しいと願ってしまった。

 椋の言葉、ひとつひとつが嬉しくて、甘い声を出しながら、彼に返事をする。すると、彼はとても愛おしいものを見つめるように目を細めて花霞を見つめては、更に甘い言葉を紡いでくれた。