「おはよう。今日も早いね。」
 「………椋さん。ごめんなさい、起こしてしまって。」
 「いや、俺はほとんど寝ないから。簡単な朝食作ってあるから食べて行って。お弁当は冷蔵庫にサンドイッチが入ってるよ。」


 椋は腕を伸ばして花霞の顔を引き寄せてキスをした。毎日欠かさない「おはよう」の挨拶。
 一緒に朝食は食べなくても、彼は夜のうちに朝食や弁当を用意し、そして花霞が起きる時間には1度ベットから起きていた。
 どんなに忙しくても椋の生活は変わることはなかった。
 そう、椋はほとんど寝ていないのだ。

 さすがに、夜遅い日が続いているためベットに横になり彼の寝顔を見る日は続いていた。けれど、こうして花霞が起きたり、ベット戻る度に椋は目を覚ましていた。


 「椋さん、忙しいんだから料理は私がするよ。」
 「花霞ちゃんだって、忙しいでしょ?」
 「椋さんよりは忙しくないよ。体を休めないと倒れちゃうよ………。」
 「大丈夫だよ。体、鍛えてるし。それに、寝れないしね。」
 「…………心配なの。椋さんが倒れたら、私どうしたらいいか………。」