朝1番に、椋が花霞を起こしそして、おはようの変わりに「誕生日おめでとう。」と、まずは言葉で祝福された。
 起きてすぐにお祝いされたことなどなかっま花霞は感動して涙が出そうになってしまった。

 そして、起きてすぐに花が綺麗に飾られたリビングで椋がいつもより豪華な朝食をご馳走してくれた。
 パンや果物にスープなどがテーブルに並んでいる。朝日を浴びてキラキラと光る、花や食器、そして食べ物を花霞はじっと見つめていたくなった。


 「椋さん、ありがとう!こんな素敵なプレゼントを貰えるなんて………とっても嬉しい!」
 「花霞ちゃん。今日は始まったばかりだよ。もっと笑顔にしてあげる予定だから。早くご飯を食べて出掛けよう?」
 「………うん!」


 花霞は、今日という日がどんな1日になるのか。こんなにもワクワクした朝は久しぶりだなと、朝からテンションが上がっていた。


 デートだから、とお化粧をして髪をセットして……と、準備をするつもりだったけれど、椋は、「今日はそのままでいいよ。楽な格好にしよう。」と、花霞の持っているゆったりとしたワンピースと厚手のニットカーデを指定して、それに着替えただけで、そのまま花霞を車に乗せた。

 予想外の出来事に、花霞は驚きを隠せなかった。


 「椋さん、どこに行くの?」
 「んーキラキラしてる所かな。」
 「キラキラ?」
 「まぁ、着いた時のお楽しみ。」


 ニコニコしながらハンドルを握る彼はとても楽しそうだった。
 花霞は行く先の事がまったく予想できず、こんな軽装に素っぴんでいいのだろうか?と、不安を感じてしまったのだった。