花霞は、自分のネックレスを外し、彼の、結婚指輪を渡した。
 久しぶりに2人揃って指輪をしているのが、嬉しくてお互いに微笑んでしまった。
 こんな些細な事が幸せだなと思ってしまうのが、結婚なのだと花霞は思うようになった。


 そんな事を考えつつ、one sinの袋を見ているとフッと気づくことがあった。その袋の中には箱が2つも入っていたのだ。
 結婚指輪だから2つなのかと思っていたけれど、よく考えれば椋の指輪は花霞が持っておりクリーニングして貰っていないのだ。


 「あの………もう1つの箱って、何が入ってるの?」
 「あぁ、そうだった。それも花霞ちゃんのだよ。というか、俺が勝手に欲しくて、君にお願いしたい事があるんだけどね。」
 「え?それはどういう事?」
 「まぁ、いいから。取り敢えず、開けてみてよ。」

 花霞はよくわからないかったけれど、彼がプレゼントをくれるという事だろうか?そんな風に考え、箱を取り出した。
 蓋をゆっくりとあけると、そこにはシルバーの小さなリングが入っていた。中央にはスクエアの赤い宝石がキラキラと輝いている。そして、花霞はすぐに気づいた。
 そのデザインは、彼の首元に光る花霞のピンキーリングと似ていたのだ。