22話「知らない喧嘩」




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 「何だよっ!くそっ!」


 玲はその日、苛立っていた。
 スーツのネクタイを弛めて、髪をかきむしった。
 自宅に帰り、スーツのジャケットを脱いでソファに投げ捨てた。
 そして、冷蔵庫から缶ビール、そして台所にあった缶詰を取ってどちらも蓋を開ける。
 それを持ってリビングのテーブルに置いてソファにドカッと座った。


 「何で履歴書出したときはよかったのに……すぐ断りの電話ばっかりなんだよ!」


 缶ビールを飲んで、そう愚痴をこぼした。



 玲は転職を繰り返しながら暮らしていた。
 それは大学卒業から繰り返していたのだ。何をしても続かず、何かイヤな事や問題が起きるとすぐに辞めていた。それでも生きていけたし、その方が責任がない仕事を続けられるので楽なのだ。

 けれど、最近仕事を辞めてから、新しい仕事がなかなか見つからないのだ。説明会や電話などで問い合わせをして面接をしても、すぐに電話が来て不採用が決まるのだ。


 「………ついてないな………。」