不眠症の改善には役立つ食べ物を調べたると牛乳や卵、ピーナッツや大豆を炭水化物の食べ物と一緒に食べると良いと書かれていた。そのため、今日の夕食はそれらを取り入れた献立を作ってみたのだ。
 椋は「美味しいよ。」と言って、沢山食べてくれた。
 そして、寝る前にはリラックスできるカモミールティーを作ってお風呂上がりに飲んでもらった。


 寝室にはラベンダーのアロマを焚いてみた。
 すると、椋は「いい香りがするね。………もしかして、これは誘ってるの?」と、花霞をからかいながらも、花霞が寝れない椋のためにいろちろやっているのだとわかったようで、「ありがとう、花霞ちゃん。」と、お礼を言ってくれた。そういう彼の優しさを感じ嬉しくなりながらも、少しでも効果が出ればいいなと思っていた。





 「けど………そんなに簡単じゃないよね………。」



 夜中に起き、花霞の隣には彼はすで居なく、花霞は少しがっかりしてしまった。
 1日で効果が出るとは思ってはいないけれど、やはり色々試したからこそ1時間でも多く寝れるようになってくれればな、と思ってしまうのだ。


 「少しずつ頑張らなきゃ。彼に負担にならないように、張り切りすぎないように………。」


 花霞はすぐにまた眠気が襲ってきて、瞼を閉じた。
 朝になれば、また戻ってきてくれる。
 彼との時間がもっと増えることを願い、椋と一緒に寝れる日を夢見ながら、花霞はまた眠ったのだった。


 
 これから、沢山の事件が起こることなど、今の花霞は全く予想もしていなかった。