数学が終わり、次の授業の準備をしている時だった。向こうから満面の笑みで誰かが歩いてくる。
「…」
仏頂面で椅子から近づいてきた人物を見上げる。
「そんな顔したらイケメンが台無しよ」
語尾がきゅぅんと上がる。やっぱこいつ…
「オカマ…」
「は、ちげぇ。俺はこういうキャラなの!」
急に低音になるな。びっくりする。
「お前イケメンなのに…」
「神崎それしか言わないな。そんなに俺ってイケメン?」
「イケメンなのに勿体無いなって思ってな」
また言い返して来るかと思ったら急に黙ってしまった。やば、不味いこと言ったか…?
「なんで?」
え。顔を見るとキョトンとした顔をしている。うん、イケメンだ、じゃなくて。もしかして考えてたのか?
「やっぱお前はそのままがいいわ」
「…そ?ありがと!!急に何よぅ!嬉しいじゃない!」
全部の語尾にハートが付いてるみてぇ。
「それで、何か用事あったんじゃないの?」
「あ、そうだった!」
今思い出したんかい。
「あれだよ、プール!いつ行く?やっぱ夏休み?」
「あー、そういえばまだ日程決めてなかったな。8月とは?俺前半暇だけど」
「俺もそこは暇かな、じゃあ決定でいい?」
「おう、ありがとな」
「やんいいのよぉ」
イケメンなのに…行けないループになっちまう。
「じゃあねん」
「おー次の準備したか?」
「あ、やべしてない」
「急げー」
慌ただしく去っていく新庄を見て、ため息をつく。
やっぱなー、一緒にいると楽しいんだよな。