人はなぜ、欲望を抱くのだろう。前向きな「何かの為に役にたちたいがため偉くなりたい」は応援できる。一番嫌いなのは、人の伴侶に手をだす輩である。当然のこされた伴侶の方は酷く傷つき家族騒動となる。いわゆる世間で言う、浮気不倫の類である。事があらわになると、手を出した方は必ずいう。「やはりやらなければよかった」やってもやらなくてもよかった。ようするにお遊びではじめ愚かだから、だんだんはまって本気になって行き、やめられなくなって見つかってしまったという最悪の経路なのである。
私はこういう類の話は一番嫌いである。できれば一生書きたくはなかった。しかしいよいよ自分が高齢者という年になり、どうしても一度自分の意見をいってみたくなった。万一これを読んで、これは自分のことを書いている失礼だ、とおもう方々は、最初に謝っておく。「貴方はまったく登場していません。これは私の、あくまで小説であり想像上の話ですから一切心配ありません」と。
 思えば、私の男女関係の価値観は幼き日に既にできあがっていたのだ。私が、確かまだ学校にもあがってない頃だったとおもう。隣家のおじさんがどうも浮気をしたらしい。飲み屋の女性が相手だったという。かなり交際はすすんでいて、隣家の年寄りたちの間では、隣家ではおじさんの愛人を嫁もいる家に一緒に住まわせ、これにも働いて稼いでもらうという話が、祖父母のあいだでまことしやかに話されていたという驚きの話だ。ああ、隣の人の好いおばさんはなんてかわいそうなんでしょ。いまなら夫の浮気として相手も旦那も正々堂々と訴えてやれるものを…。いや昔でもできたが、なにぶんそういう場所だった。
でもおばちゃんにはその時たくさんの子供がいたし、学歴もなく農業、酪農、養蚕を家族でしてなんとか暮らしている身、どうしょうもなかったんであろう。
 神がいるのか悪魔がいるのか、ある日隣のおじさんはオートバイで、多分女のところへいこうとしていたのかもしれないが、踏切で電車事故にあい、あえなく一巻の終わりとなってしまったのだ。
 教訓、『許されないことをすれば天はみている、因果応報』と、まあ、幼い私は感じていたのかもしれない?だってあのままいけば、家族はガタガタになったとおもうよ、どう考えてもね。信頼はそう崩れさ。そのご家族は悲しみを乗り越え支えあって子供たちはお母さんを大事にして家をもりあげて一致団結していい風になっていった。もともと、やさしい人たちだったからね。あの時は大荒れだったけどさ。
でもね。事故になる前、いつだったかなー。幼い私はその愛人に会っているのだ。愛人は夜、隣家を訪ね、家を聞きにスカーフを冠った女の人が私の家の扉をたたき、たまたま私がでて家をおしえたのだ。顔もおぼえている。色黒でほほに大きなほくろがあった。こどもが見ても美人ではなかったが、おじさんは夢中になったのだろう。おじさんは多分凄いバカだからだ。おばちゃんは優しい素朴ないい人なのにさ。
そういう訳で私の男女関係の価値観は幼い頃に、少し、違った体験のため、ちょっとばかり、抑え込まれた感はある。おかげさまで、うちの両親はとても仲が良く父も女性の問題を起こすことはなかった。父は母にべたぼれだったし、幸いか、家業が農家だったのでいつも夫婦一緒ゆえ、浮気などしようもなかったのだ。
成長した私は仕事が東京であった。私自身田舎から出てきてぼーっと生きてはいたが周りは大変お盛んであったのだ。そう、浮気、不倫というやつです。
1.とても仕事ができるのに年上の女性と不倫して、仕事も台無し家庭もたいへんになり犠牲になったのが子供で、不登校になったりもしていた。女のほうだけ離婚?して、女は仕事を失い、夜も昼も働いてやっと生活していたよ、その頃さ。女は性格はいい。前任職場でも同じようなことをしていたという噂が…。
2.また、ある女性は夫が亡くなったので働きに来たのだが、あっという間に年上男と不倫をはじめ、これも自分の子供が反抗して大変なことになったらしい。当たり前だよね。親が勝手なことをしたら子供が、犠牲になるよね。でもその女性が私の友人であったのだが、とても気の付く、感じのいい人でね。なんで、不倫でなくキチンと新しい男性とお見合いなりして、結婚をして新しい父親を子供のために見つけるという公明正大な手段は考えなかったんだろうとおもうよ。不倫以外では、賢い人だったからね。どうも、相手の男性がちかづいて来たらしいよ。悪いやつだ。そして彼女もすぐ夢中になった、愚かすぎる。まるで、雌雄そのものだ。すごい年上の男性だったんだよ。男は自分は離婚なんて、てんで考えず、ただ女性と遊んだんだよ。女性は相手の奥さんに本気で手紙を書いたりしてさ、真面目に男に本気だったんだろう。奥さんも突然愛人から手紙もらったりしてさ、すごく悲しかったとおもうよ。かわいそう。
3.ほかにも、長年愛人のままで年とっている職場の先輩もいたよ。「私、あの人の食べのこした物平気でたべられるの」なんて相手かまわず言ったりしてさ、自分がみじめってわからないのかね。この女性も仕事もできるしお嬢さん育ちで、他では分別のある人。愛人生活が長すぎて、奥さんに悪いなんてわからなくなっちゃたんだろうね。愚かでかなしい人さ。
まあ、数えればきりがないほど、この手の浮気不倫の類はあるよね。最近入った話だけど、2件あってね。人の夫を獲っちゃったらしい女2人。どちらも仕事できる、話うまい、一緒にいて楽しい女たち。だからかねー。他の男に気がいくのは…。自分の夫や男だけではものたりないのかねー。これはお後が悲惨であった。自分の物にしたら、(男)が死んだらしい。女は前の奥さんにどなりこまれたらしいよ「不幸はみんなあんたのせいだ、何もかもだいなしにして…」と。
片方も、男がやがて倒れ介護5だってさ。施設にもやらず、がんばって介護しているらしいよ。愛しているのかね?ほんとうに。ただ意地じゃないの?たくさんの人泣かせてさ。せっかく獲ったのに男は力つきちゃうみたいだね。大体結婚一回分の力が普通、せいいっぱいだもの。2回分はあまりないよね。女は言ってるらしい。孫に会えないのだけが悲しいと。そんなのあたりまえだ。いい歳して何やってるんだ。わきまえろ。頑張った人生だいなしにして、人様泣かせてなにが楽しい。
そうそう、どちらの女も美人ではありません。男は多分女の一途な勢いに負けたんだろうね。そしてにっちもさっちもいかなくて、自滅に破滅していったんだろうね。いや、2人の女はちゃーんと生きてるらしいよ、今も。男はだめになっちゃったけどさ。すごいね。まねできないし、したくもないよ。神さまも悪魔もみんな見てますよー。こわいよー。獲ったらとられる。因果応報。だいたい冷静になれば、長年きづいた家庭子供孫まで泣かせるほどの恋なんて世の中にあるはずないと思いますよ。ただ恋の病にかかっているだけさ。しっかりしなさい。