「今日は そこの病院に来る用事があったんです。」
奥さんは
向かいの総合病院を指差した。


「お見舞いですか?」

私の問いに奥さんは静かに
首を振った…


「私 癌なんです…

地元の病院では 無理って事で
こっちに 通う事になったんです」


え……がん…

「大丈夫なんですか?」


私は思わず大きな声を出してしまった。