黒川誠一(くろかわ せいいち)くん


私が中学二年生からずっと片思いして、未だに想いを伝えられていない人。

サラサラした黒髪に黒縁メガネをかけていて何より誠実で頭の回転が早い。

きっと高校もすごくレベルの高いところに行くんだろうって思っててもう会えなくなるって思ってた。

だから高校に入ったら流石にそろそろ想いを断ち切ろうと思っていたのに、合格発表の際に偶然雪莉那といた時見かけて気をきかせた雪莉那が声をかけてくれた。

『あれ?黒川もここの受けたんだ?番号あった?』

『ああ宮下さんに栗栖川さん。俺は一応受かったけど2人も?』

『うん。受かったってことは黒川くんとはまた高校も一緒だね。』

『うん。2人ともまたよろしくね』


寒い張り詰めた冬の空気の中で心臓が早鐘を打つみたいにドキドキして少し話しただけでも嬉しかった。



今は残念ながら同じクラスではないけど……

でも入学式で新入生代表挨拶をしてた黒川くんはコンタクトに変えててそれがまたかっこよかった……

どうせなら交換日記東雲くんじゃなくて黒川くんが良かったなぁ……



「そういえば雪莉那の相手は誰なの?」

雪莉那に聞くと雪莉那はなぜか少し考え込んで秘密っとはにかんだ。

「ええっなんで〜…あ、もしかして勝手に男子とやってるとか?」


交換日記は素行違反をした場合の記録をつけてそれがあった場合報告するルールなので、大半の人は指定された相手とするけど双方の同意の上なら勝手に男女でやってる人もいたりする。

過去に恋人同士で交換してる先輩なんかも結構いたりするらしい。


「さーどうだろうねー?」

雪莉那には誤魔化されてしまった。