君のとなりで恋をします。─上─














「ゆーくん。お姉ちゃんは大丈夫だよ!

バス停から歩いて、暑かったし!」










ゆーくんが安心するように、できるだけ笑顔で振る舞う。




それでもまだ、泣き止まないゆーくん。

…どうしよう…柊吾が…










「……泣くな、優吾。

お姉ちゃんが困るだろ?」










背後から聞こえた優しい声。

いつもより掠れてて、こもった声。











「…柊吾。」









結局起こしちゃった…。

病人の睡眠を邪魔するなんて…。







「香純がなんでここに?

…学校は?」









私を見るなり、袖で自分の口元を塞ぐ柊吾。







もしかして、私臭い!?

一瞬不安になったけど、多分そうじゃない。




柊吾は優しいから…

私に風邪をうつさないようにそうしているんだろう。