「ゆーくん。お姉ちゃんは大丈夫だよ!
バス停から歩いて、暑かったし!」
ゆーくんが安心するように、できるだけ笑顔で振る舞う。
それでもまだ、泣き止まないゆーくん。
…どうしよう…柊吾が…
「……泣くな、優吾。
お姉ちゃんが困るだろ?」
背後から聞こえた優しい声。
いつもより掠れてて、こもった声。
「…柊吾。」
結局起こしちゃった…。
病人の睡眠を邪魔するなんて…。
「香純がなんでここに?
…学校は?」
私を見るなり、袖で自分の口元を塞ぐ柊吾。
もしかして、私臭い!?
一瞬不安になったけど、多分そうじゃない。
柊吾は優しいから…
私に風邪をうつさないようにそうしているんだろう。



