君のとなりで恋をします。─上─











バスを降りてもそこを動かない私に、咲花は私の袖口を軽く引っ張る。












「ごめん、私…今日は休む!!」









それだけ言って、ドアが閉まる寸前にバスに飛び乗った。



私が乗ったと同時に、プシューっと大きな音を立ててドアが閉まる。

そのままバスは走り出す。











「おいこら、待て香純!」








外で桜河の声が聞こえた。






ごめん、桜河。

いつもあんたに〝サボるな〟って口うるさく言ってるくせに……





咲花、葵斗…。

先生にうまいこと言い訳して、誤魔化しおいてください!













成宮香純

人生で初めて学校をサボります!