桜河の行動に、ため息を吐く。
ほんとにガキなんだから…。
もう一度トーク画面を見直す。
[熱出たから休む]
柊吾にしては文章が素っ気ないというか…。
もしかして…
文字を打つ気力がないほど弱ってるとか!?
相当な高熱が出てる!?
…柊吾、大丈夫かな…?
柊吾の家は有名な旅館で、両親共に朝から晩まで忙しいはず…。
誰かが家にいるとしても、年の離れた幼い弟だけだろう。
…一人で寝込んでるの…?
…辛くないかな…?
一度考え始めると、どんどん彼への心配が大きくなる。
『 △◇駅前です。』
「おい、香純。
何ボケっとしてんだよ。…降りるぞ。」
他の乗客に続いて、私達も降りる。
「香純、どうしたの?
早くしないと電車に間に合わないよ?」



