君のとなりで恋をします。─上─










「…おい、マジでやめろ。」






「いいじゃん!

どうせノーセットなんだし!」








「そういう問題じゃねーだろ。」









冷たく聞こえる言い方で私の手を押し退けてみせるけど…

ほんのり顔は赤くて、明らかに照れてる。





こやつ…

なかなか可愛いところあるじゃないか…













「あ…そうだ、これあげる。

さっきはごめんね。」









謝まった後、ポーチから取り出した絆創膏を桜河の顔の前に差し出す。













「あぁ、さんきゅ。」





「とりあえずそれ貼っといて、学校着いたらちゃんと保健室で消毒してもらおう。」






「はいはい。」










適当に返事をした後、不器用そうな手つきで絆創膏を貼りだす。



…肘って何気に貼るの難しいよね。