君のとなりで恋をします。─上─














「ありがとう…柊吾…。」










ピンチで助けてくれるなんて…

なんて素敵なの…










「おい、早く退けよ。」









私が彼の胸板に擦り寄ると、頭上から低い声が聞こえてくる。










「え、桜河!?」










顔を上げると、顔をしかめた桜河と目が合う。









「悪かったな、柊吾じゃなくて。」








…やらかした……。









「ごめん、桜河!!

…大丈夫!?怪我してない!?」










急いで起き上がって、砂埃が付いた桜河のシャツをパタパタと払う。










「これくらい、大した事ねーよ。」











そう言って立ち上がった桜河。



…助けてもらっておいて、柊吾と桜河を間違えちゃうなんて…。


私のバカ…

いくら何でも浮かれすぎ…