君のとなりで恋をします。─上─












「桜河のバーカっ!!」










悔しかったから、思いっきり叫んでやった。


私の雄叫びに振り返った桜河は、こちらを見てベッと舌を出す。




…もう腹立った!



桜河の後を追って、私も荷台から飛び降りる。





…が、しかし…














「…わぁっ!?」









荷台の段差で足を引っかけて、そのまま前に倒れていく体。


車体の高さから、徐々に地面が迫ってくる。






…あぁ、このまま顔面から落ちたら、鼻は確実に骨折だな…。

諦めて、目をギュッと瞑ったその時…










───ドサッ…








…あれ?…痛くない…





落ちたはずなのに、全く痛みを感じない。

頬にはガッチリとした胸板、私の腰をぎゅっと抱き締める力強い腕。



…さすが私の王子様……