そう言って泣きじゃくる私を見た柊吾は、優しく微笑んで、そっと私を抱き締めた。
「香純…。
返事、聞かせてくれる…?」
私の頭を優しく撫でる柊吾。
…そんなの、聞かなくてもわかるくせに…
「私も好きだよ…。
子供の頃からずっと、柊吾だけが好き。」
ずっと胸の中に秘めていた言葉。
ずっとずっと、言えなかった言葉。
─────やっと言えた…。
ポツリポツリと灯る街灯の中で、私達はお互いの存在を確かめ合うように抱き合う。
私…今が人生で一番幸せだ…。
心からそう思えた。
…いつまでもこの幸せが続きますように。
夜空で輝く綺麗な満月に、そう願った。