君のとなりで恋をします。─上─










──────パチン!






不純な気持ちを切り替えるために、自分で
自分の両頬を叩く。



…うん、スッキリ。










「は…え!?

…何してんの!?」









私の奇妙な行動に、柊吾は動揺を見せる。


そりゃそうだよね…

いきなり隣に座る女が自分の頬を叩いたら、誰だってビックリするよね。









「いや、煩悩退散というか…

…気にしないでください。」











自分でやっといて、今更恥ずかしくなる。

なんかごめんなさい!










「…何やってんの。

…頬、赤くなってるし…。」









彼は私の頬を、優しく両手で包み込んだ。


熱を持った頬に触れた柊吾の手は、少しだけひんやりと冷たく感じる。




私の頬が熱すぎるのか、柊吾の手が冷たいのか…