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「ははっ。思い出すだけでおもしれぇ!

あの時の香純の顔、傑作だよな!」






「もう、葵ちゃん笑いすぎ!」






「だって…あんなに鼻息荒くして…っ…」









私たちが体育館に入ったのは、始業式が始まる寸前だった。


鞄を持ったまま、さらに口喧嘩をしながら体育館に駆け込んだ私たちは、全校生徒の注目の的。






その時の全力疾走後の私の顔が、どうやら葵斗のツボにハマってしまったらしく…

始業式が終わった後もこの調子。









「葵斗、式中もずっと笑ってただろ?

理事長先生にずっと睨まれてたから。」









柊吾のその言葉に、さっきまで涙を流して笑っていた葵斗の顔は青ざめる。