君のとなりで恋をします。─上─









「もう、やだ〜……

市原くん、私のこと泣かせようとしてる?」







「え、いや!そんなつもりじゃ…」










泣き真似をする私に、分かりやすく慌てふためく彼が面白くて、思わず笑みがこぼれた。











「あははっ…冗談だよ。」







「うわー…焦った…

俺の事からかってます?」








「ごめんごめん、からかってないです。

ありがとう、市原くん。」











今日は彼の言葉にかなり元気づけられた。


バスケ界のトップスターも、実際に話してみるとただの同い年の男の子。










「ところで…市原くんはなんで敬語なの?

一応同学年なんだし、タメ口で良くない?」







「いやいや。


成宮さんは俺の命の恩人っスから。

…タメ口なんて滅相もないです。」








「あはは。

トップスターが何言ってんのさ。」











そうやって笑い合いながら、彼と共に体育館へと戻った。