「成宮さん、口元緩んでますよ。」
「えぇ!?やっぱり!?」
でもうれしかったのは事実だし。
緩む頬をペチペチと叩く私を見て、市原くんは小さく笑った。
「愛されてますね、成宮さん。」
「へへへ。
うちのチームって、変なところで団結力があるというか…」
キャプテンがああ見えて情に厚い人だから、チーム全体の雰囲気がそんな感じになっているのだと思う。
やっぱり、チームにとってキャプテンの存在って大きいし。
「────あなただからですよ。」
「え?」
「誰とでも真剣に向き合えるあなただから、あんなにも選手たちから愛されるんです。」
彼の真っ直ぐな瞳に、嘘なんてなかった。



