君のとなりで恋をします。─上─









「さっき成宮さんが出ていったあと、うちの監督に黒瀬がキレたんです。」










黒瀬って…












「え!?柊吾が!?」












あの温厚な柊吾がキレた!?


言葉の通り開いた口が塞がらない私に、市原くんはさらに話を続ける。










「黒瀬だけじゃないっすよ。

紅羽のキャプテンもコーチもです。」








「え…

それって、相当険悪なムードだったんじゃ…?」










柊吾やキャプテンだけでなく、コーチまで?

なんか逆に聖陵の監督に申し訳なくなってくる。



だけど、そんな気持ちよりも嬉しさの方が勝ってしまっていて…