「あの…市原くん。
練習は……?」
「あー…
あの後すぐに休憩に入ったんです。」
「そうなんだ。」
それもそうだよね。
じゃないと、体育館の外にいるはずない。
休憩明けには練習に参加させて貰えるように、直談判しないと…
「じゃあ、私もう行くね。」
「───待ってください!」
私が一礼し体育館の扉に手をかけると、もう片方の腕を掴まれて引き止められる。
「あの…
さっきはうちの監督がすみませんでした。
うちの監督…良い指導者ではあるんですけど、なぜか女子マネには厳しいらしくて…」
申し訳なさそうに目を伏せてそう言った彼。



